りっかのブログ

イケ奥の腹黒狸最愛♡な人の雑記。ネタバレ愚痴あり。

はじめにお読みください・・・このブログについて(注意事項など)2017.8.17更新

「涙を止めるおまじない」

涙を止める手立て、みたいになったタイトル(笑)

全く関係ありません!(笑)

 

お話は「魔法の目」の続きみたいな感じで。。

大奥で祝言後の永影設定(^^) 

 

久々に旧奥を読んでて、永光さんと影ちゃんのケンカップルな感じ好きだなぁ♥と思ったんですが、

私が書くと見事に崩れちゃいますね。。

もっと大人げない永光さん書きたいのにー!

 

でもまぁいっか。

2人が幸せならいいんだ!そういうことにしよう(笑)

 

 

___________________________________

 

 


世界で一番美しい朝。

 

きらきらと眩しい光が、この江戸城に舞い込む。

 

「貴女が嬉しい時は、共に喜び合い。
悲しい時は、側で私が慰めます。」

 

誓う彼。
優しい声音に、悪戯めいた瞳。
オモテとウラ、2つの表情を持つ彼に、私はいつしか恋をしていた。

 

こみ上げてくる想いに、瞬きを3回する。
涙を止めるおまじない。

 

彼の視線がゆっくりと私の瞼を閉じてー
私と彼ー永光さんは、生涯を共にする誓いを宣言した。


…ー


ほんの些細なーそう。
相手の気まぐれた一言でも、ぐさりと胸に突き刺されば、それはもう棘と言って然るべきものなのだ。

 

確かに麻兎にからかわれた事は事実で、最近忙しく公務をこなす永光さんに、私は「会えて」いない。

 

毎日「会って」いるのに…ー
「上様」としての私と、「大奥総取締役」としての永光さんは。

 

胸に刺さった棘はなかなか抜けず、朝から私を悄気げさせるのに十分すぎるくらいだった。

 

だらんと長い廊下を、だらんと長いお引き摺りが這う。

 

(会いたいな…)

 

なんだか泣きそうになって、また瞬きを3回する。

 

「はぁ…」

 

涙の代わりに思わず零れてしまったため息を、咄嗟に口に手を当て回収するも、

 

「…」

 

前を歩く春日局様にじろりと睨まれて、冷や汗が伝う。

 

(いけない、いけない…)

 

しゃんと背筋を伸ばして、扇を持ち直す。

 

(これからまだ公務があるんだから、しっかりしないと)

 

「…っ!」

 

急に春日局様が足を止めて、つんのめりそうになりながら慌てて堪えた。

 

「お万の君…」

 

(永光さん?)

 

顔を上げると、永光さんが春日局様に何か耳打ちしている。

 

二言三言なにか言葉を交わし、

「…では、貴方に任せよう。上様、本日の公務は明日に延期ということで」

 

そう告げると、振り返りもせず春日局様は去っていってしまった。

 

(どうしたんだろう…)

 

呆然としていると、永光さんが近づいてくる。

 

「素直でない、というのも私の目の届く所でなら良いのですが…」

 

「え?」

 

呟く声が聞き取れず首を傾げると、永光さんはそれには答えず、

 

祝言の時のことを覚えていますか?」

 

急な問いかけに、私はぽかんと口を開ける。

 

「あのとき、私は気づいたんです。
貴女は涙を我慢する時、瞬きを3回する事に」

 

「あ、ああ…
思い出しました」

 

(そう言えばあの時も、このおまじないをしたんだっけ)

 

「では、行きましょうか」

 

「え…どこにですか?」

 

「本気で言っているのですか?
わざわざ春日局様を説得したというのに」

 

訝しげに私の顔を覗き込まれて、戸惑う。

 

「ええと、説得…?あ、公務が無くなったのって、やっぱり永光さんが…?」

 

「やれやれ。
そのうち私は愛する妻に、いつ祝言を挙げたかも忘れられてしまいそうですね」

 

「あ、愛する妻って…」

甘い響きに頬を熱くする私に、永光さんは子供に教えるように、人差し指を立ててゆっくり説明する。

 

「先ほど貴女が瞬きしていたのが見えました。つまり貴女は、泣くのを我慢していたのでしょう?」

 

「は、はい…」

 

「そして祝言の日に私は、「悲しい時は側で貴女を慰めます」と約束しました。」

 

「あっ…!」

 

「理解いただけましたか?」

 

「…はい」

 

「貴女と違って、私は約束を守りますからね?
無理をしない、と約束したのに貴女はまた私のいないところで我慢を…」

 

これが好機とばかりに『お説教』を始めた永光さんが、気づいたようにはっと口を噤む。

 

「永光さん…」

 

「なんです?」

 

そして、ふっと諦めたように微笑む。

 

「今は、我慢しなくても…いいですか?」

 

「ええ、そうですね」

 

微笑みを深めると、永光さんは私の身体を抱き寄せて、

 

「…嬉し泣きなら」

 

溢れ出した私の涙に、慈しむように口づけた。